PLAYER #05 ——
杉浦 和美
Kazumi Sugiura

HOLE 04
どん底からの復活劇
ゴルフの景色が一変、スコアは再び70台へ。
杉浦:今年のお盆休みにゴルフへ行ったんです。私のへぼいゴルフをずっと見てきたメンバーと。
葉子:あの、チョロ時代を知っている皆さんですね(笑)。
杉浦:そうそう(笑)。そしたら、ドライバーがピューッて飛んで、ロングの2打目もバーン。残り50ヤードをポンって乗せられて。
葉子:おおっ!
杉浦:みんな「どうした?」って(笑)。だから、「ちょっと頑張ったんですよ」って。
ドライバーを持つのが怖くなり、ミドルホールでさえフェアウェイウッドで刻んでいた杉浦先生。それが今や、飛距離は約220ヤードまで回復していた。
杉浦:飛距離が戻ると、2オンも狙えるし、セカンドを9番や7番アイアンで打てるんですよね。
葉子:ゴルフの景色が、まるっきり変わりますよね。
杉浦:そうなんです。その3日後、また別のゴルフ仲間と回ったら「めちゃめちゃ良くなりましたね!」って驚かれて。
葉子:スコアは?
杉浦:38、40とか、70台で回れるようになって。
葉子:うわぁ、なんだか私まで泣きそう……。
杉浦先生:本当に。「あのとき諦めなくてよかった」って、心から思いましたね。
何年もかけて身体を鍛え直し、スイングを作り直し、再び手にした70台。
見事な復活劇である。

さて、先生が取り戻したのは、飛距離やスコアだけではなかった。復活までの試行錯誤の中で、レッスンにもつながる気づきがあったという。
きっかけは、トレーナーとのこんなやり取りだった。
「できてる」の意味が、腑に落ちた瞬間
杉浦:身体の使い方を習い始めた頃、トレーナーさんに「私、できてる?」って聞いたことがあるんです。そのときは「できてますよ」と言われて納得していたんですが……。
葉子:はい。
杉浦:1年ほど経って、「あの頃、全然わかってなかったのに、なんで『できてる』って言ったんですか?」って聞いてみたんですよ。
そうしたら、「感覚を掴めていない段階で細かく説明しても混乱するだけ。反復の中で自分で『あ、これか!』と気づくのを待っていた」と言われて。
葉子:なるほど……愛のある「見守り」だったんですね。
杉浦:それがすごく胸に刺さって。愚直に反復を重ねて、ふと自分で納得できる瞬間を待つ大切さを知りました。
長年「教える側」として瞬時に課題を見抜いてきた先生が、スランプを経て初めて味わった「教わる側」のもどかしさ。言葉通りに動けない経験をしたからこそ、指導者としての解像度も上がっているという。
葉子:スランプの経験が、ティーチングプロとして大きな糧になったんですね。
杉浦:本当にそうです。自分が「できない側」を経験したからこそ、言葉だけでは届かないもどかしさが痛いほど分かりますから。
長いスランプを抜け、飛距離もスコアも取り戻した杉浦先生。プレーヤーとしてだけでなく、ティーチングプロとしても新たな視点をもたらしたようだ。
(つづく)




